ガソリンの安いスタンドを発見すると、正直うれしい。そんな生活感あふれる日常の中で最近、満タンにして1万円札で支払った際の釣り銭が、かなり減ったのを実感する▼経済産業省によると、今月4日時点のレギュラー1リットル当たりの全国平均小売価格は160円となり、3年ぶりの高値を記録した。本県も158円20銭とやはり高い▼値上がりの原因は原油価格の高騰であり、その背景は本紙も報じているが、先行きはどうか。栃木県石油商業組合の村上芳弘(むらかみよしひろ)理事長は「当面、下がる要素は見当たらない。165円の可能性も」と予測する▼家計にとってつらいのは当然としても、業界はなお一層という。仕入れ値の上昇分を、そのまま販売価格に転嫁できるわけではない。一方で消費者は1円でも安価なところを求めており、競争は厳しい▼近年、燃費向上などによる需要減がスタンド経営を圧迫する。10年間で県内でも300近くも減り、700軒を割り込む。国は2035年までに全ての国内の新車販売を電動車にする目標を打ち出しており、将来的な不透明感はさらに強まる▼廃業により深刻な影響も出る。村上理事長は「特に中山間地域では、高齢者が遠距離を自動車で灯油を購入にいかなければならないケースもある」と明かす。欠かせない暮らしのインフラなのだが。