新収蔵記念展で展示されている棟方志功の肉筆画「天地明炎之韻妃図」(右)

 【芳賀】町に寄贈された貴重な肉筆画1点を含む世界的な版画家棟方志功(むなかたしこう)(1903~75年)の板画や日本画31点と、本県ゆかりの版画家川上澄生(かわかみすみお)(1895~1972年)の版画14点の計45点を紹介する「棟方志功/川上澄生 新収蔵記念展」が12日、町総合情報館で始まった。これだけ多数の棟方作品を一堂に展示するのは町内で初めてという。11月14日まで。

 元芳賀中校長で絵画教室講師丸山悦郎(まるやまえつお)さん(87)=祖母井(うばがい)=は昨年12月、棟方の肉筆画「天地明炎之韻妃図(てんちみょうえんのいんひず)」(縦45・4センチ、横35・2センチ)と川上の版画「遊女と洋燈(らんぷ)」や「文明開化 横浜」など8点を町に寄贈した。

 これを契機に町と町教委は、世界的巨匠の一人と言われる棟方と川上の業績を広く町民らに知ってもらおうと今春から準備を開始。寄贈された計9点のほか、コレクターから借りた棟方の板画や書30点と川上の版画6点を併せて展示することにした。

 天地明炎之韻妃図は、棟方が1956年ごろに米国ニューヨークで制作したとされる墨と水彩で女人を描いた肉筆の日本画。和紙の裏側から色を付ける「裏彩色(うらさいしき)」と呼ばれる技法が用いられており、美術的な価値も非常に高いという。

 棟方の大作の書「華厳(けごん)」(縦135・4センチ、横66・5センチ)や、板画「釈迦(しゃか)十大弟子 迦旃延(かせんねん)の柵」(94・5センチ、横30・3センチ)などの貴重な作品も多数展示されている。

 学芸員の五月女(そうとめ)仁美(ひとみ)さんは「『世界のムナカタ』と称される棟方の作品と、『木版画の詩人』とも呼ばれる川上の版画を芸術の秋に堪能してほしい」と話している。

 午前9時半~午後5時。月曜と今月29日休館。(問)情報館028・677・2525。