中国唐代中期の詩人韓愈(かんゆ)の詩の一節に「灯火親しむべし」とある。読書の秋の起源ともされる。彼岸を過ぎて、日が短くなり涼しくなる時節、秋の夜長を過ごす楽しみの一つである▼とは言っても、だれもが親しんでいるとは言い難い。県教委が昨年度、小中高生対象に実施した調査では、学年が進むほど不読率が高まる傾向がある。高校生は1カ月0冊が5割を超えている▼日々の勉強や部活動、仲間との交遊で忙しいのはうなずける。しかし読まない理由は「テレビやDVD、ユーチューブ視聴に時間を使う」が最多で、「漫画やゲームに充てる」も目立つ▼県教委は高校生の読書活動推進事業で、リーダーとなる生徒を「コンシェルジュ」に任命している。本年度は54人が選ばれ、各校で「本を読む楽しさ」を伝える。研修を受け計画書を作成するなど本格的で、自発的にというのが頼もしい▼過去の活動報告書を見ると、校内放送でラジオドラマ風に本を紹介したことや、気分に応じた選び方で推薦本にたどり着くフローチャートの作成・掲示、「本屋大賞」の予想投票の実施など、あの手、この手の方法を工夫していた▼一冊が人生の道しるべになることもある。難しく考える必要はない。特に若い人たちは週末の夜、窓外の虫の声でも聞きながら本を開いてみてはどうだろう。