多様性とその共生が大きなテーマとなった東京パラリンピックが閉幕し、間もなく1カ月。共生の重要性は感じても、地域で実践するとなると、戸惑いも多いのではないだろうか▼那須町の廃校舎を利用し、その実現に向けた拠点づくりを目指す「那須まちづくり広場」が、第1期の大規模改修を終えた。今月の新装オープンが、新たな段階へのスタートとなる▼開所からこれまで3年半の活動は、講座や住民の話し合いの会などのイベント、マルシェ(直売所)などを通じた地域コミュニティーの下地づくりが主体だった。近山恵子(ちかやまけいこ)代表は「若い女性の利用が増え、小学校の総合学習でも使われている」。手応えは十分だ▼今後は改修によりできた空きスペースで、高齢者や児童のデイサービスを始める。障害者対応も拡大し、広場内のカフェを働く場とするなど就労支援を強化するという▼みとり対応の介護重視型サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は整備が進み、その先には校庭に自立型サ高住の建設も予定する。完成すれば学校跡という空間に、子どもから高齢者まで、多様な立場の住民が日常生活の中で関わり合えるコミュニティーが成立する▼近山代表によると、全国的にも前例がない形態という。「理想郷」を栃木の北端の地で実現し、見本として全国に発信してほしい。