宇都宮市議らが昨年11月の知事選告示前に福田富一(ふくだとみかず)知事への投票を呼び掛ける違法文書を配布した事件で、公選法違反(法定外文書頒布、事前運動)罪に問われた前宇都宮市議会議長桜井啓一(さくらいけいいち)被告(59)の判決公判が29日、宇都宮簡裁で開かれた。細谷和信(ほそやかずのぶ)裁判官は「文書作成や頒布を主導した」などとして罰金30万円、公民権停止3年(求刑罰金30万円、公民権停止5年)を言い渡した。

 細谷裁判官は桜井被告が知事選告示前、多選批判を受ける福田知事の選挙結果に不安を抱き、自身と福田知事の母校の野球部OB会会員へ法定外選挙運動文書を郵送したと指摘した。

 桜井被告は、後援会入会の依頼が主目的と主張していたが、「福田とみかず立候補予定者の推薦」などと書かれた表題や文書の内容、告示4日前に郵送した点を踏まえ、「投票を獲得する点に主たる目的があったことは明らか」と断じた。

 福田知事の次男で前宇都宮市議福田陽(ふくだあきら)被告(37)=同罪で公判中=から文書案を受け取ると、「後援会拡大活動のご協力のお願い」との文言を「ご支援とご協力をお願いします」と訂正した点などに触れ、事件を主導したと認定した。

 一方で、現金買収などと比べて選挙の自由や公正への影響が小さい点に加え、「違法性を明確に意識していたと言えない」などとして、公民権停止期間を3年とした。

 判決によると、福田陽被告らと共謀し昨年10月25日、知事の母校の有権者に「支援と協力をお願いします」などと投票を呼び掛ける法定外選挙運動文書12通を郵送した。

 判決が確定すると、桜井被告は2023年春に任期満了となる同市議選へ立候補できなくなる。