カミングアウトと言うほど大げさではないが、頭の形が良くない。後頭部の左側がへこみ、右側が膨らんでいる。「頭位性斜頭」と言うらしい▼日常生活に不便は感じない。だが野球やバイクのヘルメットは真っすぐ収まらず、理髪店でひげをそる際に斜めを向いてしまう。昔は形の悪さを表すあだ名に、嫌な思いをした▼そのゆがみを矯正可能な乳児期に直す「頭のかたち外来」を、自治医大とちぎ子ども医療センターが新設した。開設3カ月、県内外から治療を求める人が急増している。悩む親は多いのだろう▼胎内での位置や、横になったときの向きの癖などにより生じるゆがみ。同センター小児脳神経外科の五味玲(ごみあきら)教授は「自然に治ると思っている小児科医も多い」と誤解を指摘し、「1カ月健診で見つけてほしい」と早期の対処を勧める▼頭のゆがみは顎の関節や耳の位置のずれなどの原因となる。首が傾き、体全体に影響を及ぼす恐れもあるという。しかし、因果関係を裏付けるデータの蓄積が進んでいない。そのため治療は保険適用外となっている▼出産などで支出が増え、育休で収入が減る時期。45万円の出費は大きい。負担感を軽減するため、保険適用などに向けて医療現場はより多くのデータを集め、治療の有益性を証明してほしい。子どもの明るい将来のために。