新型コロナウイルス感染症で在宅を余儀なくされる中で、人々の健康状態が二極化していると医師が話していた▼通勤で歩くことがなくなった。「お取り寄せ」でおいしいものを食べ過ぎた…。いわゆるコロナ太りが増えている。体形が変われば気になるのは健康診断の結果。メタボ基準をめぐっての一喜一憂があるはずだ▼このメタボ、「メタボリック症候群」の診断基準を世界保健機関(WHO)が定めたのは1998年。今世紀になって一般名詞化し、省略を好む日本人はすぐに「メタボ」と縮めてしまった▼ただし、メタボリックを「太っている」の意味で使うのは誤用だ。本来は取り込んだ物質やエネルギーを変換し消費することを指す「代謝」の英語。腹囲や体格指数(BMI)を基準としたのは検査の便宜からだった▼メタボ症候群では、カロリーの取り過ぎと運動不足に持って生まれた体質が加味され、おなかの中に脂肪がたまる。肥満のほか血糖や血圧、脂質などで総合的に診断する病気だ。日本では、スリムな「隠れメタボ」も多い▼特に働き盛り世代に、健康診断で精密検査を勧められても受診を怠り、悪化させる事例が後を絶たない。生活指導や服薬により、多くの人は悪化や合併症を免れられる。せっかく進歩した医学の恩恵にあずからないのはもったいない。