輸入物のタイワンタガメ(オス)をゆでて胴体を切り、口を付け汁を吸い出す。塩味と同時に「西洋ナシ」のような香りが鼻に抜けた。一回り大きいメスは、腹をほじって緑色の卵を食べる。「グミ」のような食感で味はしょっぱい▼日本で虫を食べると言えば、イナゴだろう。稲刈り前後に田んぼで捕獲し、ふん出しをする。ゆでるとエビのように真っ赤になる。羽と脚を取り除き天日で干し、しょうゆと砂糖で煮込みつくだ煮にする。かなりイケる▼大田原市佐久山地区の一部では、地域の人気行事としてイナゴ捕りが行われており、地元の小学生も参加する。昨年、統廃合された旧福原小の学校行事が地域に引き継がれた▼昔は貴重なタンパク源の確保や、学校の教材購入の資金づくりのため、各地で見られた秋の風物詩だった。だが今ではほとんどイナゴ捕りの話は聞かない▼人口爆発などで食料危機が懸念される中、国連は「昆虫食」の重要性を指摘する。例えば食用コオロギの養殖は畜産に比べ、えさや水の量、温室効果ガスの排出も圧倒的に少ない▼タガメの試食は、なかがわ水遊園の講座取材での貴重な経験だった。タイでは人気の食材だそうだが、こちらは勇気が要る。世界では昆虫1900種以上が食べられているという。近未来、食料の“救世主”となるのだろうか。