モデルナ2回目の副反応は、期待以上だった。接種当日の深夜に悪寒が走り、39度に迫る高熱が続いた。コロナ禍の1年半、風邪もひかぬ健康的な日々。医療従事者や感染者のために貢献することもかなわず安穏としてきてしまった者にとって、この副反応は、ささやかな「免罪符」であり、待望の痛みだった。

 そんな思いを押し付けるつもりは毛頭ないが、与党にはコロナ禍にある国民に対する贖罪(しょくざい)の意識はないのだろうか。コロナ対策そっちのけで「総裁選ゲーム」に興じている場合ではないはずだ。戦うべき相手は、対抗馬でも野党でもなく、コロナウイルスであろう。

 菅義偉首相は、退陣表明後の会見で「未来のために道筋を示すことができた」(10日付電子版、1面「首相会見要旨」参照)と豪語したが、個利個略、党利党略しか頭にない自民の未来には、重い“副反応”が待っているだろう。告示を翌々日に控えた今、自民に望むのは、衆院選で勝てる顔でなく、コロナに勝てる顔を選ぶことだ。