一時、猛烈な勢力まで発達した台風14号は温帯低気圧に変わった後、今週末にかけて日本列島を縦断する見通しだが、全国的に雨や風が強まる恐れがある。警戒は怠れない▼台風の惨禍と言えば、2019年10月の19号が思い浮かぶ。大型で強い勢力を維持したまま上陸し、関東・東北などに甚大な被害をもたらした。本県も河川の氾濫や堤防の決壊が相次ぎ、4人が死亡、経済的な打撃も深刻だった▼佐野市は県内市町で初めて「災害ボランティア活動推進条例」を制定し、7月施行した。市や市民、事業者などの役割を明文化したのが特徴で、「実情に応じた活動に努める」ことを求めている。19号の教訓が背景にある▼「市民一人一人に何ができるか、平時から考えてもらうこと」。市民活動促進課の松本玲子(まつもとれいこ)課長は、条例の目的の一つを説明する。災害ボランティアは特別な誰かがではなく、みんなに果たすべき役割がある▼避難所での小さい子どもの世話や、お年寄りのサポート、話を聞いて不安を和らげるのも立派なボランティアだという。大人に限らず、小中学生にもできることがある▼「誰もがボランティアの当事者との自覚を持ってほしい」。5年前、熊本地震の仮設住宅を訪れた際に聞いた言葉である。災害時に傍観者とならないよう、何ができるかを考えておきたい。