8月は戦争関連の報道が集中し、やゆして「8月ジャーナリズム」と呼ばれる。しかし今年は東京五輪と重なり、例年より印象が薄かった▼加えて新型コロナウイルスの影響で今年も、「原爆の日」に営まれる広島の平和記念式典に県内の市町が中学生を派遣する事業が中止となった。若い世代に戦争がますます遠いものになりはしまいか不安になる▼宇都宮市は代わりに、かつて派遣され今は20歳になった2人のインタビューや当時の映像をまとめ、ユーチューブで配信した。登場した上智大2年の荻巣真里亜(おぎすまりあ)さんは「派遣されるまで、日本はただ原爆の被害国と思っていた」と話す▼現地で原爆の悲惨な爪痕を目の当たりにし、式典で多くの人と同じ祈りをささげた。そして今、なぜ戦争は起きたのか、日本が他国に何をしたのかを知ったり、各国が歩み寄ったりする必要性を感じるという▼明治学院大2年の大橋亮(おおはしりょう)さんは「中学生が一人一人平和や戦争について考えたり調べたりすると、戦争を経験したおじいさん、おばあさんも安心して僕らにバトンをつないでくれるのではないか」と語り掛ける▼戦争を知らない世代からさらに若い次の世代へ。どうやったら核のない平和な世界をつくれるかを考え行動する輪が広がるのを願わずにいられない。大人にも見てもらいたい動画だ。