童謡にあるように長い鼻と大きな耳のゾウは子どもたちの人気者である。宇都宮動物園(宇都宮市上金井町)の雌の宮子(みやこ)は1973年10月にタイで生まれ、同12月に前身の動物園にやってきた▼暖かい国から寒い時季に来日してさぞかし苦労があったと想像するが、古い資料がないため名前の由来も含めて詳しくは分からない。来月48歳になり、半世紀近くを宇都宮で過ごしてきた▼同園は「歳を重ねた宮子に水浴びを楽しんでもらいたい」とゾウ舎のプール改修を計画したが、コロナ禍で入場者が落ち込み、経営環境が悪化。やむを得ず改修費を募るクラウドファンディングを先月始めたところ、わずか13日間で目標額の1300万円に達した▼全国津々浦々から支援が届き「園に行ったことはないけど宮子のために」などの応援コメントが寄せられた。荒井賢治(あらいけんじ)園長は「改めて動物が好きな人が多いことを実感した」と振り返る▼日本動物園水族館協会によると、アジアゾウは国内の32動物園で84頭が飼育されている。野生のゾウも含めて年々その数は減っており、「種の保存」が課題となっている。絶滅危惧種のため、新たな輸入は簡単ではない▼飼育下でのゾウの寿命は50~60歳とされる。宮子には元気で長生きをしてもらい、いつまでも人々の笑顔を生み出す存在でいてほしい。