8月に県内で確認された新型コロナウイルス感染者は5031人。7月の1333人をはるかに上回り、デルタ株によっての爆発的な増加だったことが分かる▼このところ新規感染者は減少傾向にあるものの、病床使用率などは依然高く安心はできない。中等症で自宅療養を求められた場合には急変の心配が付きまとう。さらに重症になれば、病床が果たして足りているのかと不安になる▼9月9日は「救急の日」。それに合わせて先日、宇都宮市でオンライン講演があった。済生会宇都宮病院救命救急センター長を務め、コロナ医療の最前線に立つ小倉崇以(おぐらたかゆき)医師が現状などについて説明した▼呼吸不全患者などに付けられる人工心肺装置「ECMO(エクモ)」のスペシャリストでもある。現在、救命救急センターは「ぎりぎりでやっている状況」だと言う▼何度も言及したのが「救急医療の余力」についてだった。「昨年10月から始まったエクモを搭載したドクターカーは、余力がなければ運行できない。人命を守る上で最も大切なことは医療供給体制の維持だ」と強調した▼救命救急センターの数についても問題提起した。人口27万人の水戸市や33万6千人の前橋市に2カ所あるのに対し、52万人の宇都宮市には1カ所だけ。地域の救急医療にとってすぐにでも改善すべき課題だろう。