プロペラの付いた帽子、紫と白のしま模様の衣装を身に着けて開会式に臨んだ鈴木さん(鈴木さん提供)

鈴木さんが「宝物」と話す入場パス

プロペラの付いた帽子、紫と白のしま模様の衣装を身に着けて開会式に臨んだ鈴木さん(鈴木さん提供) 鈴木さんが「宝物」と話す入場パス

 【鹿沼】5日閉幕した東京パラリンピックに、西鹿沼町、元教員鈴木幹郎(すずきみきお)さん(63)が開会式「アシスタントキャスト」として携わった。肩関節が不自由で障害等級5級の障害者手帳を持つ鈴木さんは、西中剣道部の外部指導員を務めている。「開会式やパラリンピック全体を通して感じたことを生徒と共有したい」と話している。

 パラリンピック開閉会式で選手の出迎えや誘導を行う「アシスタントキャスト」の募集案内をインターネットで見つけたのは2月上旬。自らの障害に加え、障害のある家族もいることから「何かパラリンピックに携わることはできないか」と思案していた鈴木さんは、すぐに書類を提出。翌月に合格の連絡が来たという。

 開会式の練習は、オリンピック閉会後の2日間のみ。両日とも午後3時から11時まで振り付けの練習や衣装合わせが行われ、鈴木さんは毎回、新型コロナウイルスのPCR検査で陰性を確認してから練習に参加した。

 開会式は「WE HAVE WINGS(私たちには翼がある)」をコンセプトに、空港を舞台にした物語が繰り広げられた。鈴木さんらキャストは音楽に合わせて踊ったり、手を振ったりして選手を歓迎した。「(選手たちの)これまでの努力を想像したら、尊敬の気持ちしかなかった。とても感動した」と振り返る。

 現在、中学校の部活動は緊急事態宣言の影響で中止となっている。再開後には「パラアスリートの夢に向かって努力する姿勢や自分の限界を決めないなど選手の生き方から学んだことを生徒と話し合いたい」と鈴木さん。

 パラ開会式で着た衣装などは返却したが、入場パスは手元に残った。「一生の宝物です」と笑みを見せた。