JR渋谷駅近くに連日若者の長蛇の列ができた。新型コロナウイルス新規感染者の多くを占めるようになった16~39歳を対象に、東京都が予約なしで接種できる会場を設けたためだ▼若者たちは未明から「密状態」で並び、先着順だった初日は接種枠を増やしても打てない人が続出。抽選制に変わった2日目も、選に漏れ断念する人が相次いだ。都の担当者は「盛況ぶりを予想できなかった」と言ったが、どうも釈然としない▼というのも都が直前に発表したワクチンに関する意識調査結果が、この展開を予測していたからだ。若者は世界的に接種を避ける傾向があるが、調査結果は意外だった▼「必ず接種する」と「おそらく接種する」の合計は最も低い10代後半女性でも68・9%。最も高い10代後半男性は86・7%もあった。打ちたがらないのではなく、ほとんどの人が打ちたいのに打てないでいるのだ▼若者たちは受験や仕事など、切実な理由で一日も早く接種しようと猛暑の中、列に並び無駄足を踏まされた。それを見たさらに多くの若者が、気持ちをくじかれないか心配になる▼日本の接種完了者は65歳以上で90%近いが、全体はまだ半分もいかない。ワクチンでコロナが収束できるか否かは今後の若者の接種率向上が鍵だ。「百里を行く者は九十里を半ばとす」を肝に銘じたい。