妊婦へのワクチン接種をめぐる市町の対応

 千葉県で新型コロナウイルスに感染した妊婦が入院できず、赤ちゃんが死亡した問題などを受け、本県でも優先枠を設けるなど、妊婦の接種を拡充する動きが広がっている。2日までの下野新聞社の取材に対し、全25市町のうち18市町が優先接種を行うと回答した。残りの市町は「現状の態勢で対応可能」とした。中高生らに優先して接種する自治体も17市町あり、妊婦や子どもに配慮した接種が加速している。

 妊婦向けの優先接種では、宇都宮市と足利市が12歳以上の子どもを含む同居家族も対象とした。大田原や上三川など5市町は、配偶者やパートナーに限って対象に含めた。

 妊婦の家族も優先接種の対象としたことについて、足利市の担当者は「家庭内感染が増え、妊婦を守るためには家族への接種も必要と判断した」と説明した。

 9月から集団接種に優先枠を設けた芳賀町。担当者は「千葉の事案を受けて、妊婦は重症化や早産のリスクが高まるという懸念があった」と明かした。

 栃木市は希望に応じて日程を調整する。出産直前しか予約が取れないといった事情に配慮した。那須烏山市や塩谷、茂木、野木の3町は、個別に相談したり通知を出したりして、希望があれば接種枠を用意する。

 集団接種に妊婦枠を設ける高根沢町では、接種日が日曜日のため、体調不良に備えてかかりつけ医との連絡体制が取れていることを条件にする。下野市の担当者も「接種後の経過観察にはより慎重になる必要がある」と指摘した。

 一方、優先枠を設けない7市町では、予約状況などから現状でも希望者の接種が可能とする。那須塩原市は「予約に空きがあり、本人の意志があれば接種できる」と回答。真岡市は「接種をためらう妊婦もおり、優先枠で一概に推奨できない」と明かした。

 小中高生向けの接種を巡っては、17市町が優先枠を設けたり、10代の接種を早めたりして早期に接種できるよう対応した。家族内感染や学校でのクラスター発生を防ぐことが目的。受験や就職活動に配慮し、中学3年や高校3年のみに優先枠を設けた市町もあった。