5段階の避難情報体系

 自治体が災害時の避難情報を一斉に伝えるシステム「Lアラート」で、栃木県は最も危険度が高い警戒レベル5「緊急安全確保」にシステムが対応しておらず、自動で情報発信できないことが2日、県への取材で分かった。住民への情報伝達に遅れが生じる恐れがあるため、県危機管理課は「システムの早期改修に努める」としている。

 Lアラートは災害発生時、自治体が発信した情報が報道機関に一括配信され、住民に提供される仕組み。全国で導入され、県と25市町は2015年4月に運用を始めた。

 市町が出す避難情報について、政府は19年に5段階の危険度で示す警戒レベルを導入したが、今年4月に名称と発令基準を変更。レベル4は避難勧告を廃止して避難指示に一本化し、この時点で危険な場所から全員避難することとした。レベル5は、災害発生が切迫した段階で発令する。

 だが、こうした避難情報の度重なる変更にシステム整備が間に合わず、Lアラートを運用する一般財団法人マルチメディア振興センターによると、7月時点で47都道府県のうち本県を含む九つの自治体が改修を終えていないという。

 現状ではレベル5の発令時にメールやファクスによる「手作業」が必要になる。同課担当者は「情報伝達に時間がかかり、発令から周知までに時間を要する可能性がある」と説明。早期にシステム改修に取り組む方針だ。

 7月以降、大規模な土石流が発生した静岡県熱海市や、記録的大雨となった鳥取県・島根県、鹿児島県などの九州南部でレベル5が発令されている。