市が8年ぶりに改訂したハザードマップ

 【足利】市は、市内の洪水による浸水想定範囲や土砂災害警戒区域を記した「洪水・土砂災害ハザードマップ」を8年ぶりに全面改定した。近年の災害激甚化を受け、想定最大降雨量を2倍程度に引き上げ、浸水に影響するとみられる対象河川を5から13に増やした。浸水の想定範囲や深さ、土砂災害警戒区域も拡大した。市はマップを全戸配布し、避難行動計画をまとめることを呼び掛ける。

 マップはA2判。表面は市内を10地区に分けた地区別地図、裏面は全域地図とした。過去10年分の「被害実績マップ」や避難行動の解説を収録した24ページのA4判冊子を添え、市内全6万2千戸に配布する。

 市内では2019年、台風19号による河川氾濫で毛野・富田地区を中心に広範囲が浸水。1人が死亡した。これを受け、改訂したマップは最大降雨量の想定を従来より倍増させた。例えば、渡良瀬川では72時間降雨量を434ミリとしていたが、812ミリに増やした。

 浸水想定区域は、国や県が推計した13河川16種類の図面を重ねて作成し直した。これにより、市の大部分が「0・5~3メートル未満」「3~5メートル未満」「5~10メートル未満」のいずれかで浸水する想定となった。

 土砂災害警戒区域は、従来より122カ所多い、642カ所に拡大した。特別警戒区域は113カ所多い607カ所。指定避難場所は従来の37カ所に、車中避難所として商業施設屋上駐車場など4カ所を追加した。

 マップ改訂に当たり、市内20地区で開いた住民説明会での意見を踏まえ、マップと冊子の活用法を解説する動画も制作した。市ホームページなどで閲覧できる。市危機管理課の近藤隆久(こんどうたかひさ)課長は「家族や地域で話し合い、大雨が降ったらどう逃げるか、事前の行動表作りに役立ててほしい」と話している。