東京五輪の開会式でとりわけ印象に残ったのは1824台のドローンによるショーだった。市松模様の大会公式エンブレムから地球の形に変化し、夜空に消えた▼技術力に感嘆したが、今はまさに「空の移動革命」のさなかなのだという。先日、県などがオンラインで開いた「とちぎ空飛ぶクルマ開発促進セミナー」で紹介された▼第1部に登場した経済産業省の担当者によると昨年7月、省内に次世代空モビリティ政策室が発足し、ドローンと空飛ぶクルマの産業振興を図っている。ドローン市場は拡大の一途で、産業面では空撮・測量・農業などを中心に利用が進んでいる▼それを発展させたのが空飛ぶクルマである。第2部では製造・販売・運航を行うスカイドライブ(東京都)の開発リーダーが講演した。世界で200を超える企業の開発競争が佳境に入り、実証実験の段階に突入。同社はその先頭を行く▼昨年8月、国内で初めて公開有人飛行試験に成功した。今後、国土交通省の航空法に基づく認証を取得し、安全性が認められれば一般の乗客を乗せた有人飛行が可能になる▼2025年の大阪・関西万博での運航開始を目指している。将来は、都市部でのタクシーサービスや離島や山間部の新たな移動手段として期待されている。SFの未来社会が現実に近づいているようだ。