真っ赤な胸部に光沢のある黒い体。体長は2~4センチ程度の特定外来生物「クビアカツヤカミキリ」の生息域が、県内で急拡大している▼中国、朝鮮半島などを原産地とする侵入害虫で、海外からの輸入物を梱包(こんぽう)する木枠の中に入って来たとの説が有力である。県内では5年前、足利市で成虫1匹が見つかったのが最初だった▼桜や桃、梅などバラ科の樹木が好物で、幼虫はその内部に入り込み、1~3年かけて内側を食い荒らして枯死させる。同市内の被害木は2017年度の13本から、20年度は883本と急増した▼市は19年度から庭木などの被害木の伐採費用の一部補助を始めた。本年度は既に予約枠がいっぱいとなり、申し込みを断っている状況という。羽化した成虫の拡散防止のため、市内の桜の街路樹の多くに青いネットが巻かれている▼佐野、栃木、小山市と県南を中心に広がったが、先月下旬には県央の壬生町で見つかり、今月2日に野木町で確認された。県の担当者は「桜の花見ができなくなるだけでなく、桃や梅などの生産が大打撃を受ける可能性もある」と危機感をあらわにする▼被害の拡大防止には伐採が最も有効で、早期の発見と対処が必要だ。全国では12年に愛知県で確認されて以来、12都府県に広がり本県は北限に位置する。なんとしても本県で食い止めたい。