開会式で大きく手を振り入場する車いすバスケットボールの高松(手前から2人目)=24日午後9時35分、国立競技場

無事開催されたパラリンピック開会式。各国の選手団が入場する=24日午後8時20分、オリンピックスタジアム

開会式で大きく手を振り入場する車いすバスケットボールの高松(手前から2人目)=24日午後9時35分、国立競技場 無事開催されたパラリンピック開会式。各国の選手団が入場する=24日午後8時20分、オリンピックスタジアム

 東京パラリンピックの聖火が、力強く、静かにともる。約6万8千人収容の国立競技場に大歓声はなくとも、共生社会への強いメッセージが日本を、そして世界を包んだ。“超える力”を象徴する選手たちの、新たな物語が始まる。

 午後9時半過ぎ、日本選手団の入場が始まった。満面の笑みで手を振り、車いすや義足、競技を支えるパートナーらと自分らしく進む。車いすバスケットボール男子、小山市出身の日本体育大4年高松義伸(たかまつよしのぶ)(21)の姿が見えた。表情は自信に満ち、晴れやかだ。活躍が待ち遠しい。

 「失ったものを数えるな。残されたものを最大限に生かせ」。大会に懸ける選手たちの姿に、パラリンピックの生みの親、故ルートビヒ・グトマン医師の言葉を思い出した。人間には、無限の可能性がある。

 選手たちは事故や病など、私たちの想像を超える苦労や葛藤、試練を、努力によって乗り越えてきた。家族や指導者、仲間たち、支える人との固い絆を力に変え、大舞台をに臨む。すべての瞬間を伝えたい。

 パラリンピックは、第2次世界大戦で急増した傷病兵のリハビリとして始まった。大会を重ねるごとに競技性は高まり、義足や車いすなどギアの進化は、健常者をも上回る超人的な記録を生み出している。

 東京大会は、コロナ禍で史上初めて延期となった。原則無観客の異例の大会。それでも、2016年の前回リオデジャネイロ大会を上回る161の国と地域から、史上最多の約4400人が出場し、最高のパフォーマンスを披露する。

 選手たちの輝きは、多様性を認め合う共生社会を、そして私たちを優しく照らす、希望の光だ。熱戦が始まる。東京大会を契機に、より良い未来へ。さあ、ともに、前へ。