緊急事態宣言における県の対応

 栃木県に新型コロナウイルスの緊急事態宣言が発令された20日、福田富一(ふくだとみかず)知事は臨時記者会見を開き、自宅療養者を減らすため9月中旬にも宿泊療養施設を2カ所新設すると発表した。宣言地域に米モデルナ製ワクチンが優先配分されることを踏まえ、新たな接種会場を複数設置することも明らかにした。宇都宮市内のとちぎワクチン接種センターの接種人数も増やし、接種を加速させる。

 緊急事態宣言の発令などを受け、県は約149億円の補正予算案を編成する。宿泊療養施設の新設など、軽症者らに対する療養体制の強化に43億円を盛り込んだ。新たな施設は県央と県南地区に開設予定で、受け入れ人数などを精査する。現在の宿泊療養施設は4カ所、計638室だが、部屋の消毒対応などから稼働しているのは3カ所、約210室。休止中の県北1施設を再開し、稼働率を引き上げて約290室に増やす。

 自宅療養中の患者が休日や夜間に症状が悪化した場合に当番制で救急搬送を受け入れてもらう救急医療機関向けの協力金制度を創設。救急医療機関には新たに酸素ステーションも整備する。また、重症化を防止する「抗体カクテル療法」を速やかに行えるよう、医療機関と宿泊療養施設の連携を進める。

 20日現在で461床ある入院病床は、500床確保を目指し医療機関に協力を呼び掛ける。

 とちぎワクチン接種センターについては、開設時間を9月から延長し、1週間当たりの接種人数を約7千人から1万人に増やす。18歳~30代を対象にした予約枠を設け、感染が増えている若い世代の接種を促す。

 人の流れを減らすため、県立美術館や博物館、図書館などを23日から休館することも決定。大型商業施設に対しては今週末の現地調査を踏まえ、必要に応じてより強固な人数制限を要請する。

 福田知事は会見で「医療崩壊は間近に迫っている。お盆期間の影響で、さらに感染拡大が想定される」と危機感をあらわにし「本当に必要な外出かということを検討し、行動してほしい」と県民に外出自粛を改めて求めた。