声を出しての応援ができない中、メガホンをたたいて応援する作新学院の保護者ら=19日午後、甲子園

 甲子園球場で19日に行われた全国高校野球選手権2回戦で高松商(香川)に惜しくも敗れた作新学院。新型コロナウイルスの影響で前回大会が中止となり、2年ぶりに開催された夏の甲子園。コロナ禍で応援に制限がある中、吹奏楽部や保護者らは精いっぱいのエールを選手たちに送った。

 同校吹奏楽部や野球部の控え部員、生徒会を含む約200人が見守った一塁側スタンド。吹奏楽部の堀米十愛(ほりごめとあ)部長(17)は「去年は来られなかった甲子園。私たちも気合が入った」とクラリネットを吹いた。

 攻撃時は、野球部からリクエストがあったという女性9人組グループ「NiziU(ニジュー)」の曲で鼓舞した。その演奏に応えるように、選手たちは最大5点差を終盤八回に追い付く粘りを披露。堀米部長は「最後まで諦めない姿を見て、私たちも諦めなかった」と背中を押し続けた。

 感染予防で声援を送れないため、保護者らはメガホンや手拍子で盛り上げた。田代健介(たしろけんすけ)主将の父浩幸(ひろゆき)さん(58)は「子供たちと甲子園に来られたことが幸せ。先輩たちの思いも背負い、重圧もあったと思う。それでも一生懸命に戦い抜いた」とナインをたたえた。

 原則無観客で開催されているため、野球部OBらは現地での応援がかなわなかった。3代目OB会長の杉山明弘(すぎやまあきひろ)さん(79)=宇都宮市=は自宅のテレビで観戦。「コロナ禍を耐え、日程変更もあった中で本当に頑張った。この経験を人生の糧にしてほしい」とねぎらった。

 福田富一(ふくだとみかず)知事は「選手全員の粘り強さを発揮したひたむきなプレーは、県民に勇気と感動を与えてくれた」。宇都宮市の佐藤栄一(さとうえいいち)市長は「『全員野球』でチーム一丸となり全力で戦った」とコメントした。