県が開設した大規模接種会場でワクチンを接種する人たち=6月16日、宇都宮市駒生町

 栃木県は12日、新型コロナウイルスワクチンを接種した後に感染した人が10日現在、91人確認されたと明らかにした。うち43人が1回目の接種後、48人が2回目を終えた後に感染した。県はワクチンに発症や重症化の予防効果が期待されるとする一方、「接種したから感染防止対策をしなくても大丈夫ということではない」と注意を呼び掛けている。

 県によると、1回目の接種後に感染した人のうち、2人が重症化し、1人は65歳未満だった。2回接種後の感染者の中に重症化した人はいないが、十分な免疫がつくとされる2週間以上経過した後に感染する「ブレークスルー感染」も確認されたという。

 今月上旬にさくら市内の高齢者施設で発生したクラスター(感染者集団)では、感染した70~90代の利用者28人が2回目の接種を終えていた。県は、マスク未着用での食事や会話などがクラスターの原因とみている。

 厚生労働省によると、ワクチンを2回接種した場合でも100%の発症予防効果が得られるわけではなく、有効性はファイザー製が95%、モデルナ製で94%としている。変異株「デルタ株」の猛威を背景に、国は「ブースター」と呼ばれる3回目以降の接種も検討している。

 ワクチン接種後のクラスター発生について、福田富一(ふくだとみかず)知事は12日の記者会見で「高齢者が接種したファイザー製がデルタ株に対して効き目が薄いという報道もあり、関係性はあると思う」と推測。「ワクチンを打ったからといってマスクなしで会話していいというものではない。今回の件を教訓とし、マスクの活用を忘れず感染防止に努めることが必要だ」と呼び掛けた。