緊急事態宣言が発令される中、路上で酒を飲む人たち=7月30日午後9時10分、東京都渋谷区

 東京五輪の連日の熱戦取材で時間がたつのも忘れるが、毎日午後4時45分が近づくと少しそわそわする。東京都内の新型コロナウイルス感染者数の速報が発表されるからだ。

 初の4千人台となった7月31日の4058人も驚いたが、8月に入り5日はついに5千人を超えた。

 怖いという感情とともに「そりゃそうだよな」とも思う。東京は緊急事態宣言下で、飲食店には営業時間の短縮や休業、酒類提供の停止が求められている。店頭に張り紙をして従う店も多く、夜は街が静かだが、苦渋の決断の末に営業を続ける居酒屋は少なくない。

 普段より暗くなった通りで、赤提灯(ちょうちん)やライトアップされた看板はより目立つ。ガラス越しに店内をのぞき込むと、店内は若者とサラリーマン風の人で満席。肩を寄せ合うようにしてグラスを傾けている。路上ではマスクなしで飲酒する人の姿も見られる。

 「宣言慣れ」やワクチン接種による安心感があるのかもしれない。だが、こうした人たちの行動が広がっているのであれば、感染者数は減るわけがないだろう。

 五輪は関係者の努力と協力により厳しい感染対策の下で開かれ、選手の活躍は世界に元気を与えている。「五輪が感染爆発の引き金になった」とは、思われてほしくない。アスリートの熱戦同様、感染者数の推移も見守っている。