トップ選手の辞退などで「ドリームチーム」という冠とともに語られることは少なかったバスケットボール米国男子だが、それでもやはり強かった。

 決勝は1次リーグ初戦で敗れたフランスとのリベンジマッチ。五輪参加18大会全てでメダルを取った、王国の誇りと意地、貫禄がコート上に現れた。16個目の金メダルで五輪通算139勝目(5敗)と、その数字にも圧倒される。

 無観客が最も違和感ある試合だった。何しろ五輪開幕直前まで行われた米NBA決勝シリーズは、全試合が約1万7千人の観客で満員だったのだ。あまりに光景が違った。

 しかし、その中で繰り出されるプレーは当然ながら超一級品。3点シュートにドライブ、ミドルレンジとどこからでも得点できるNBAのスーパースター、デュラント(米国)は誰も止められない。一方のフランスもNBA屈指のプレーヤー、ゴベールを中心に食い下がる好ゲームだった。

 両チームの試合後の記者会見が印象的だった。

 「デュラントが特別なのは能力が高いからではない。試合や練習を楽しみ、喜びに思い、相手に敬意を持って臨む姿勢が常にあり、それはチームに広がる」。NBAで5度のタイトルに輝いた米国の名将ポポヴィッチは強調した。

 ゴベールの敗者の弁にもうなずかされた。「僕たちの目標は若い世代にメッセージを送ることだ。敗戦は事実だが、ギブアップはしなかった。強いメンタリティーを示すことはメダル以上に重要なこと」。将来の母国を支える若手らにしっかりと伝統をつないだ。

 献身性や謙虚で純粋な姿勢、精神性、団結…。語られたのはスポーツの核心だ。大切にしているものは、宇都宮ブレックスも同じ。あの熱狂が恋しくなった。