栃木労働局は30日、6月の県内有効求人倍率(季節調整値)が1・09倍になったと発表した。前月を0・06ポイント上回った。有効求人数が増加した一方、有効求職者数は減少したため倍率は上昇した。コロナ禍以前の水準に近づいた求人関連の数値を踏まえ、雇用情勢判断は「一部持ち直しの動きがみられる」と上方修正された。判断の上方修正は、3年11カ月ぶり。

 有効求人数は、3・1%増の3万6692人に上った。有効求職者数は、2・8%減の3万3558人だった。

 季節的要因を除いた原数値では、新規求人数が4カ月連続で伸び、前年同月比12・9%増の1万3445人だった。コロナ禍前の2019年と比べると、3~5月は9・6~24・0%減で推移していたが、6月は2・1%減と減少幅は縮小した。製造業は19年比で初めて増加に転じ、大量求人のあった半導体関連などの影響があったという。

 これらの数値を踏まえ、雇用情勢判断は上方修正された。ただ県内では新型コロナウイルス感染症が急拡大しており、栃木労働局の藤浪竜哉(ふじなみたつや)局長は「影響がどう出るか注視する必要がある」と懸念を示した。

 主要産業別の新規求人数(原数値)で見ると、建設業、医療福祉で19年水準を上回った。巣ごもり需要に伴うリフォームや、ワクチン接種業務の増加などが一因とみられる。一方、宿泊業、飲食サービス業や生活関連サービス業、娯楽業は低迷し、コロナ禍前の水準との開きは大きい。

6月失業率改善2.9% 飲食・宿泊の就業者増 全国

 総務省が30日発表した6月の完全失業率(季節調整値)は前月比0・1ポイント低下の2・9%で、3月以来、3カ月ぶりに改善した。新型コロナウイルス禍で大きな打撃を受けた宿泊・飲食サービス業のほか卸売・小売業で就業者数が増えたことなどが理由。

 厚生労働省によると、有効求人倍率(同)は前月比0・04ポイント上昇し1・13倍だった。

 総務省によると、居酒屋やホテルなど宿泊・飲食サービス業の就業者数は前年同月比13万人増で18カ月ぶりに増えたが、2年前の同じ月よりは25万人少ない。卸売・小売業で働く人は前年同月比49万人増えた。解雇や倒産による離職者数は2万人減と17カ月ぶりに前年同月を下回った。

 田村憲久厚労相は7月30日の記者会見で「数字だけ見れば良くなっているが、新型コロナで雇用情勢は厳しさが続いているとの認識だ」と述べた。