イタリア料理店で働く安田さん(左)とオーナーの照井さん(撮影時のみマスク非着用)

 【高根沢】町は先月、県の移住支援事業による町内移住者第1号として都内出身の安田有希(やすだゆき)さん(42)を認定した。都内から町内に移住してイタリア料理店を営む照井康嗣(てるいやすし)さん(44)の情報発信がきっかけとなり、4月に同店へ就職。町企画課は「町への移住者が新たな移住者へとつながった好事例」としている。

 同事業は、東京一極集中の解消と、中小企業の人材不足を補うことを目的に、2019年4月にスタートした。主に東京23区在住者が(1)県の企業情報掲載サイトに求人情報を掲載した中小企業に就職(2)テレワークで移住元の業務を継続-などの要件を満たした場合、1世帯に100万円、単身に60万円を支給。国が2分の1、県と市町がそれぞれ4分の1を負担する。

 安田さんが移住するきっかけとなったのは、照井さんが動画投稿サイト「ユーチューブ」にアップした求人動画。同事業を紹介しながら、都内在住者に町内への移住を勧める内容だ。

 照井さんは16年、町や商工会、農協、金融機関などが後押しする町の創業支援事業を活用し、石末(いしずえ)にイタリア料理店「ヴェッキオ・トラム」を開店した。移住者としての経験を踏まえ、「コロナ禍で、優秀な人材を都内から引っ張れるのではないかという発想。移住支援事業が広がり、地域貢献につながれば」と期待する。

 現在、同店の厨房(ちゅうぼう)で腕を振るう安田さんは「家賃も安く、広い居住空間で生活ができる。(地場産)野菜などの食材に、旬と季節を感じます」と満足の様子。

 同事業を担当する同課の担当者は「『ロックサイドマーケット』などのイベントで交流人口を生み出し、コメ『とちぎの星』のプロモーション事業や創業支援事業などで、さらなる移住に結び付けたい」と話している。