男子400メートルメドレーリレー決勝で最終泳者の中村克(下)を応援する水沼選手(左)=東京アクアティクスセンター

 ただでは終わらない。日の丸を背負う男子スプリンターたちの大和魂だ。

 競泳全35種目の最後を飾る男子400メートルメドレーリレー。日本は6位で2大会ぶりの表彰台はならなかったが、3分29秒91で日本新記録を樹立。バタフライの第3泳者を務めた水沼尚輝(みずぬまなおき)は「楽しいレースができた」。いつもの爽やかさで大会を締めくくった。

 メダル獲得が期待された100メートルバタフライは、ベストの泳ぎができず準決勝敗退、リレーの予選も会心とは言えない出来だった。「しっかりベストパフォーマンスを出してチームに貢献したい」。初の決勝レースに闘志を燃やした。

 7位でスタート台を蹴ると、前半から飛ばす。最後は懸命に腕を回し、順位を一つ上げてタッチ。引き継ぎ参考ながらタイムは50秒88。予選から0秒54も伸ばし「慌てず冷静に泳ぎ切った。すごくいい形で引き継げた」。最後に持てる力をすべて出し切った。

 日本人の中でも体は大きく、筋骨隆々。プールサイドで憧れのドレセル(米国)らと健闘をたたえ合う姿が様になる。「メダルを目指していたが、それはかなわなかった」。それでも納得のレースだった。

 好奇心旺盛で、研究熱心。そんな性格がトップクラスに押し上げた。水族館へ遊びに行っても「なぜイルカは速いんだろう」と真剣に観察し、時間が過ぎていく。他の選手の泳ぎも、気になるところをまねては取捨選択。重要な大会の直前に泳ぎ方を変えたこともある。妥協なく己を磨き、世界の舞台に飛躍した。

 初出場の五輪で、自身初めての日本新記録。「記録保持者という誇りを胸に、日本代表としてこれからも戦っていきたい」。まだ24歳。早くも3年後のパリが楽しみになってきた。