熱戦を展開する栃木SCのMF上野(左)ら選手たち=さくら市のさくらスタジアム

 4月に他界したサッカーJ2栃木SCの元強化部長上野佳昭(うえのよしあき)さん(享年81)の遺志を継ぎ、中学世代のサッカーを盛り上げようと「第1回desafio(ディサフィオ)CUP」が25日、栃木県さくら市のさくらスタジアムで初開催された。当日は栃木SCジュニアユースなど関東地区の精鋭4チームが集結、熱戦を繰り広げた。

 大会は公式戦が少ないとされる14歳以下(主に中学2年生世代)のチームが対象。大会実行委員会が栃木SCの他にJ1浦和、鹿島のジュニアユースチーム、山梨の強豪・アメージングアカデミーを集め、トーナメント戦を行った。

 鹿島、浦和の参加は共に上野さんの人脈で実現。中大時代の後輩や栃木SCの強化で一緒に奮闘した元同僚が各クラブにいて、窓口になってくれたという。実行委員長を務めた斎藤信也(さいとうしんや)さん(46)は「ディサフィオはスペイン語で挑戦という意味。この大会で選手たちは多くの挑戦をしてほしい」と思いを語る。

 熱戦の舞台となったさくらスタジアムは、上野さんの出身地にある。通常は公式戦以外に貸し出すことが少ないスタジアムを市が使用許可。差し入れなども準備し、市観光PR大使を務めた上野さんに報いた。

 会場には、強化部長時代の上野さんに育てられた元Jリーガーたちの顔も。現在クラブスタッフを務める赤井秀行(あかいひでゆき)さんや広瀬浩二(ひろせこうじ)さん、おととし、主将で現役を引退した菅和範(かんかずのり)さんも駆け付け、選手たちのプレーを見守った。

 現在、育成部に身を置く広瀬さんは「上野さんの思いを僕たちが継いでいかないといけない」と大会創設の意義を強調。菅さんは「自分を喜連川温泉PR大使にも推薦してくれて、公私ともどもお世話になった」と思い出を語った。

 大会は浦和が優勝。本部席には上野さんの遺影も飾られ、選手たちを見守った。上野さんの孫で栃木SCの瑛汰(えいた)さん(13)は「おじいちゃんにゴールを見せたい」と勢力的にボールを追っていた。大会創設に奔走した長男の英昭(ひであき)さん(54)は「多くの方々の協力があってできた大会。継続的に続いていってほしい」との思いを語っていた。