感染者が急増している宇都宮市。繁華街は人々が行き交う=28日午後3時5分、同市江野町

 栃木県内で新型コロナウイルスの感染者が2日連続で100人を超えた28日、県内の観光や宿泊事業者に驚きと落胆が広がった。夏休みの書き入れ時を迎え、客足が戻り始めた中での感染者の急増。県は県民に不要不急の外出自粛を求め、飲食店への時短営業の要請も検討している。高まる「第5波」への危機感。「またか」「これ以上どんな対策をすれば…」。関係者は苦悩する。

 「100人超はインパクトが強い。これは想定外」。日光市鬼怒川温泉大原にある「鬼怒川パークホテルズ」の小野真(おのまこと)社長(49)は驚きを隠せない。「いきなり増えた印象があり、来ようとしている人の抵抗感が増す」と不安を口にした。

 同市中鉢石(はついし)町の老舗「三ツ山羊羹(ようかん)本舗」の三ツ山泰弘(みつやまやすひろ)社長(41)は「最近の人の流れからして感染者の急増は当然だろう」と冷静に受け止める。

 店は世界遺産「日光の社寺」に続く日光街道沿いにある。22日からの4連休前半は家族連れでにぎわった。「日光街道はコロナ禍以降初めてぐらいの長い渋滞ができていた」と振り返る。

 日光東照宮によると23、24の両日は参拝者数が7千人規模で「コロナ禍前の例年並みに戻った」という。

 県外客が多く足を運ぶ宇都宮餃子(ぎょーざ)会の直営店「来らっせ本店」(宇都宮市馬場通り2丁目)も、4連休に最大2時間待ちのにぎわいを見せた。

 感染者の急増に伴い、県は飲食店への時短営業の要請などを検討している。佐々木宏明(ささきひろあき)総店長(53)は「本来の感染対策は、感染者が増える前に先手先手で講じるべきではないのか」と複雑な思いも抱く。

 従来より感染力が強い変異株「デルタ株」の拡大も懸念されている。同会の鈴木章弘(すずきあきひろ)事務局長(49)は「店でできるコロナ対策はやり尽くした」と頭を抱える。「県は、県民を守るための対策を強化してほしい」と訴えた。