水中でも燃え続ける花火(丁教授提供)

県民にはなじみの薄い西日本の線香花火「スボ手」

丁大玉教授

水中でも燃え続ける花火(丁教授提供) 県民にはなじみの薄い西日本の線香花火「スボ手」 丁大玉教授

 コロナ禍で花火大会が中止になったり外出しにくい雰囲気が続いたりする中、手軽に夏の風物詩が楽しめるとして、おもちゃ花火が人気だ。夏休みに入ったのを機に、安全に遊ぶための注意点などを再確認したい。花火研究で知られる足利大大学院情報・生産工学専攻の丁大玉(ていたいぎょく)教授に聞いた。

 丁教授によると、小さな子どもと一緒に遊ぶのにお薦めなのが、高温になる金属粉を使っていない線香花火。実は東日本と西日本では、形に違いがあるという。東日本では和紙で火薬を包み、こよりがついている「長手」が一般的だが、西日本では竹ひごやわらの先に火薬を直接塗った「スボ手」が伝統的で、火花を上向きにして持つ。

 多くの県民が親しんできた「長手」の線香花火。誰が1番長持ちするか、競争したことがある人も多いのではないか。より長い時間楽しむには、地面に対して垂直に持つのではなく、若干斜めに持つのがポイントだという。また、酸素が周囲にあることでパチパチッと火花がよく出るため、手で風よけはせず、風が少し吹いている時にやるのがベスト。火花が出なくなってしまったら、風を少し送ると復活することもあるそうだ。

 子どもが喜びそうな実験も家庭でできる。火薬部分が紙で覆われているタイプの手持ち花火と、水が入った水槽を用意。火花が出ている状態で水槽の中に入れてみよう。タイミングが合えばそのまま燃え続ける面白い現象を見ることができる。

 燃えるものは普通、空気中の酸素が必要だが、火薬は自ら酸素を持つため空気がなくても燃える特性があるからだという。水に入れるタイミングがゆっくりすぎると火薬部分まで水が入り消えてしまい、早すぎても勢いで消えてしまうので、何度かトライしてみよう。

 花火を安全に楽しむにはマナーを守り、事前準備を怠らないようにしたい。丁教授は「保管する際、火気や太陽光、熱のある場所は自然発火する恐れがあるため危険。車の中に置きっぱなしにするのも危ない」と注意を呼び掛ける。火薬は劣化していくので、購入した花火は早めに使い切る。

 遊ぶ前には水を入れたバケツを用意するのはもちろん、注意書きを必ず確認する。「商品やメーカーによって、火の付け方や注意点が違うので、やる前にはよく読んでほしい」と訴える。また、花火は法にのっとって、安全な火薬量の範囲内で製造している。分解して火薬を集めたりするのは厳禁だ。

 丁教授は「コロナ禍でも、ルールを守って安全に花火を楽しんでもらえたら」と話している。