藤縄さんのヘルメット(左)や奥沢さんのユニホームを手にする番組制作者

 【佐野】57年前の東京五輪開会式で、2人の佐野高出身者が脚光を浴びたことを紹介する特別番組を、佐野ケーブルテレビが26日から放映する。1人は青空に五輪マークを描いた航空自衛隊「ブルーインパルス」の元パイロット藤縄忠(ふじなわただし)さん(84)。もう1人は陸上3千メートル障害に出場した故奥沢善二(おくざわぜんじ)さん。五輪や地元への思いをインタビューと映像で浮き彫りにした。番組制作者は「五輪に挑んだ2人を知ることでみんなの励みになれば」と話す。

 番組名は「青空の同窓~東京五輪 2人の佐高生」。26日~8月1日に計16回放送する。同校出身で同テレビの根本竜一(ねもとりゅういち)さん(44)を制作責任者とし、昨年2月から取材を進めた。

 放映のきっかけのはずだった昨年の五輪は開催延期となったが、根本さんは「地元ケーブルテレビとして2人の偉業は伝えなくてはならない、という思いが一層強くなった」と話す。

 横浜市在住の藤縄さんは1955年3月に同校卒業後、自衛隊の航空学生に。五輪に向けブルーインパルスの一員として約1年半練習を重ねたが、「一度も完璧な形にはならなかった」という。それだけに、本番で成功した瞬間は「酸素マスクの中でやったぞ、と叫んでいた。最高の人生を歩めた」と映像で振り返る。

 56年3月に卒業した奥沢さんは、開会式前々日の64年10月8日、旧田沼中の後輩から必勝を期して贈られたトロフィーを最期まで宝物にしていたという。

 妻のキミ子さんも「(川崎市の)自宅の一番目立つところに置いていた」と話しており、根本さんは「それだけ地元への思いが強かったのだろう」と推し量る。

 取材のため、60数年ぶりに母校のグラウンドを訪れた奥沢さんは、その後体調を崩し今月5日に帰らぬ人となった。番組は「奥沢善二さんにささげる」と銘打った。