聴覚障害者らが電話で自由にコミュニケーションできる日が、ようやく来た。法律に基づく「電話リレーサービス」が今月スタート。いつでもレストランを予約したり、救急車を呼んだりできるようになった▼耳の不自由な人や発話の難しい人が、専用のスマートフォンアプリやパソコンサイトに相手の電話番号を入力すると、通訳者につながる。インターネットのテレビ電話の手話か「チャット」と呼ばれる文字のやりとりを、通訳者が音声に替え相手に伝える▼同様のサービスは米国で1960年代に始まった。日本でも東日本大震災の後、日本財団がサービスに乗り出した。ただ、早朝深夜は利用できず、消防や警察への緊急通報もトラブル回避のため認められていなかった▼昨年、サービスを制度化する新法が成立。緊急通報を含め、24時間365日の通話が実現した。障害者らの自己負担は月額料なしのプランで固定電話宛てが1分約17円。既存の電話利用者から1番号当たり年約8円を徴収して費用を補う▼しかし、電話リレーを利用して金融機関などで手続きを取ろうとしても、話者が本人でないことを理由に拒否される例が報告されている。関係者の理解が求められる▼耳の聞こえる人にとっても、聴覚障害者らにすぐ連絡が取れる電話リレーは便利だ。普及を期待したい。