東京五輪での金メダル獲得を伝える新聞記事を手にする半田百合子さん=17日、滋賀県高島市

前回の東京五輪で金メダルを獲得し、笑顔を見せる日本代表チーム。左から3人目が半田さん(半田さん提供)

東京五輪での金メダル獲得を伝える新聞記事を手にする半田百合子さん=17日、滋賀県高島市 前回の東京五輪で金メダルを獲得し、笑顔を見せる日本代表チーム。左から3人目が半田さん(半田さん提供)

 東京五輪が23日、開幕する。「東洋の魔女」と呼ばれ、1964年の東京五輪女子バレーボールで金メダルに輝いた元日本代表の一人、半田(はんだ)(現姓・中島(なかじま))百合子(ゆりこ)さん(81)=宇都宮市出身、栃木女子高卒業、滋賀県高島市在住=は「純粋に楽しみたい」と待ちわびている。57年間の社会や女性を取り巻く環境の変化に深い感慨を抱きつつ、今大会エースとして出場する黒後愛(くろごあい)選手(23)=宇都宮市出身=に「最高の笑顔を見せて」とエールを送る。

 金メダル獲得を伝える新聞記事を懐かしそうに見詰める。当時は「女性の幸せは結婚」とされた。結婚したら競技は辞めるものだった。五輪で女子のチーム競技はほとんどなく、指導者で残ったり働き続けたりする社会でもなかった。

 引退後、大学で指導し、宝飾会社で定年まで働いた。今は女子スポーツも根付き、女性の社会進出も進んだ。

 前回の東京五輪は、戦後復興とは切り離せなかった。自身の記憶は「戦時中が最初」。きょうだい5人。食べる物も少なかった。苦労する親の背中を見て育ち、地道な努力の大切さを身に染みて感じ、日本代表にたどり着いた。