オゾンホールは南極上空のオゾン層が極端に少なくなる現象で、世界で初めて観測したのは日本の南極地域観測隊だった。宇宙、地球、環境など研究の最前線に南極観測は位置付けられ、重要性は増している▼1956年から始まった観測隊の派遣は今年で第63次となる。宇都宮大付属小教諭の渡辺雅浩(わたなべまさひろ)さん(38)は、国立極地研究所が11年前から始めた教員南極派遣プログラムで、県内の教員では初めて同行者に選ばれた▼昭和基地から発信する「南極授業」や帰国後の活動を通じて、南極観測の意義や魅力を次世代を担う子どもたちに届けるのが役割である。11月に観測船「しらせ」で出国し、来年3月末に帰国する▼南極授業は1月下旬から2月上旬の間に予定。衛星中継を使って昭和基地と付属小職員室のパソコンを結び、小3から中3の各教室や体育館をつないで児童生徒860人を対象とした同時参加型の授業にする▼子どもたちから渡辺さんに寄せられた南極での実験リクエストや第63次隊員へのアンケートなどを基に「観測や設営などに携わる人を通して、コロナ禍でも南極観測を行う必要性と可能性を伝えたい」と意欲を燃やす▼付属小の前は3年間、イタリア・ミラノの日本人学校で教えていた。何でも見てやろうという精神は旺盛で、今から成果が楽しみでならない。