コンベンションセンターなどで開催される見本市や展示会は、さまざまな業界の最先端や流行を知ることができる。新しいビジネスの芽はあらゆるところにあるものだと感心もする▼「エンディング産業展」は葬儀・埋葬・供養に特化した日本最大の専門展をうたう、葬送ビジネスや終活の現状を知る最適なイベントといえる。今年の3日間の来場者数は1万2千人を超えたという▼目を引くブースがいくつかあった。家族葬向けの移動葬儀車は、近くに葬儀場がない場合や思い入れのある場所で法要を営めるという。買うのが当たり前だったのを定額料金で利用できるサブスクリプションの仏壇もあった▼特に興味を覚えたのが仮想霊園だった。遺影などをインターネット上の霊園に置き、遺族らがアバター(分身)となってパソコンやスマートフォンから訪問、参拝する。「墓参り」はいつでも可能で、映像、音声で故人を身近に感じてネット法事などを行える▼コロナ禍でオンライン法要は一気に広がった。墓参りを代行しオンラインで見せるサービスもある。ただ、自らの分身が仮想空間で追悼する試みはまだ珍しい▼シニア世代にはなじみがないだろうが、ネットゲームなどに慣れた世代は違和感を抱かないかもしれない。分身参拝の普及は、日本人の死生観を変えていくのか。