出来上がったラーメンを持って屋台から降りてきて、斎藤さん親子(右の2人)に手渡す菊地さん

 元高校球児の青年が今春から、栃木県足利市内で昔懐かしい夜鳴きそば屋台の経営に取り組んでいる。「菊ちゃん屋台ラーメン」の代表菊地真人(きくちまさと)さん(21)=利保(かかぼ)町1丁目=だ。ラーメン店に勤務する中、新型コロナウイルス禍に直面し「お客さんを待つのでなく、お客さんの所にラーメンを売りに行こう」と独立、開業した。「人柄が良くて、ラーメンもおいしい」と常連客が増えつつあり、菊地さんは「軌道に乗ったら屋台を2台にしたい。足利にあった夜鳴きそば文化を復活させたい」と夢を膨らませている。

 菊地さんは白鴎大足利高野球部3年の2018年夏、2番手捕手としてベンチ入り。甲子園目前の県大会決勝で作新学院高の前に涙をのんだ。「野球部の活動は本当に厳しかったが、技術以上に礼儀や気遣いの大切さを学べて、決断力も付いた」と振り返る。

 銘仙など織物産業が華やかだった戦後、市内には夜鳴きそばの屋台が十数台営業していたが、その衰退とともに姿を消した。菊地さん自身、少年時代に食べた思い出があるという。

 「菊ちゃん屋台ラーメン」は現在、平日の曜日ごとに巡回する地域を固定し、午後6時から軽トラックを改造した屋台で営業している。「チャラリ~ララ…」のチャルメラの音を聞きつけ、丼持参で買いに来た八幡町、主婦斎藤亜由美(さいとうあゆみ)さん(35)は「さっぱりしたしょうゆ味がおいしく、毎週のように食べている。菊ちゃんはとても礼儀正しく、5歳の息子はラーメンも菊ちゃんの人柄も大好き」と話した。

 しょうゆラーメン600円から。(問)菊ちゃん屋台ラーメン080・7031・8989。インスタグラム@kikuchan_yatairamen