新型コロナウイルスワクチン

 国による新型コロナウイルスワクチンの供給量の大幅な減少が見込まれる中、栃木県内で接種計画を見直す市町が相次いでいることが16日、下野新聞社の取材で分かった。集団接種の見送りや規模の縮小のほか、接種スケジュールの再検討を迫られる自治体もある。希望者への11月末までの接種完了という国の目標を「不可能」とする声が上がるなど、接種を巡る混乱が広がっている。

 「11月末の完了は無理」。大田原市の津久井富雄(つくいとみお)市長は16日、定例記者会見でワクチン接種の目標達成が困難だという認識を示した。供給不足の可能性があるため、9月からの集団接種を一時休止して個別接種のみを行う予定だ。

 佐野市は、夏休みを利用して受験などを控えた高校3年生への接種を計画していたが、延期した。担当者は「ワクチンの供給不足に加え、変異株で重症化が懸念される40、50代への接種を優先する」と説明した。

 集団接種を市内2カ所で予定していた足利市は、8月中の実施を見送る。栃木市は、1日最大千人が接種可能な会場の予約枠を600人程度に抑制。鹿沼市や壬生町、那須町でも、集団接種の人数や日にちを減らした。

 個別接種への影響も出ている。真岡市は、医療機関ごとのワクチン配分量の上限を設けた。那須塩原市は菅間記念病院以外での接種を当面の間取りやめる。

 接種スケジュールも見直しを迫られる事態に。那須烏山市は、今月11日に64歳以下の各年代の接種日程を公表する予定だったが、60~64歳のみにとどまった。小山市も12~59歳の一般向け集団接種の見通しが立っていない。宇都宮市は供給状況を見据え「スケジュールを調整中」とした。

 国が目標とする11月末の接種完了も、達成が困難とする声が相次ぐ。足利市の担当者は「現在の量で接種できるのは1カ月約1万人。接種見込み人数は6万6千人で、配布ペースが上がらないと11月末までは難しい」と指摘。栃木市や那須町も、供給が減れば「達成は厳しい」とする。市貝町は「10月中の完了を予定していたが、12月にずれ込む可能性がある」とみる。

 一方、「要望した量は届いている」との茂木町や、「9月末ごろまでのワクチンのめどは立っている」という塩谷町は、11月末の完了を「可能」と回答した。