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災害現場で土砂のかき出しを行う県警広域緊急援助隊=13日午前、静岡県熱海市(県警提供)

帰還報告をし、敬礼する川嶋指揮官=15日午後2時15分、宇都宮市若草2丁目

災害現場で土砂のかき出しを行う県警広域緊急援助隊=13日午前、静岡県熱海市(県警提供) 帰還報告をし、敬礼する川嶋指揮官=15日午後2時15分、宇都宮市若草2丁目

 静岡県熱海市で発生した土石流災害で、行方不明者の捜索などを行った栃木県警広域緊急援助隊の12人が15日、任務を終え、県内に帰還した。ぬかるんだ急傾斜地に断続的な雨。何度も退避命令が出る危険な現場だったが、大量の土砂を懸命にかき出し続けた。指揮官を務めた機動隊の川嶋将之(かわしままさゆき)小隊長(45)が報道陣の取材に応じ、「行方不明者全員を見つけられず残念」と悔しさをにじませた。

 県警は、機動隊を中心とした警備部隊など12人を9日から7日間派遣。小型重機を操作して大型重機が入れる道を整備したり、建物の中をスコップでかき分けて行方不明者を捜索したりした。

 粘土質の土砂はぬかるみ、胸まで漬かることも。梅雨空も安定せず、二次被害を避けるため退避命令が何度も出た。数時間前まで活動していた場所で土砂崩れが発生したこともあった。作業ははかどらず、もどかしい思いが募った。

 2018年7月に発生した西日本豪雨の被災地へ派遣された経験も持つ川嶋小隊長。「今回は隊員の安全を確保するのが困難な現場だった」と振り返った。

 土砂の中からは時折、写真や手帳が見つかった。「生活が一瞬で奪われる災害の現実を実感した」。14日時点で11人が犠牲となり、16人の行方が分かっていない。「後続の部隊が見つけてくれるはず」と祈るように語った。

 宇都宮市若草2丁目の機動隊に戻った12人に対し、印南浩司(いんなみこうじ)警備2課長は「泥まみれになりながら黙々と活躍する姿を心強く感じた」と労苦をたたえた。川嶋小隊長は「今回の現場を想定した訓練や自衛隊・消防との連携を強化して、今後に万全を期したい」と次を見据えていた。