PVの開催を見送った作新学院高。横断幕を掲げて選手へエールを送る=13日午後、宇都宮市一の沢1丁目

 東京五輪・パラリンピックで、競技中継を大型画面で観戦するパブリックビューイング(PV)を断念する動きが県内でも広がっている。新型コロナウイルス感染防止の観点から、本県選手の出身校や関係市町は相次いで中止を決定。個々での応援を呼び掛ける。一方、感染対策を徹底した上で実施を模索するケースもある。

 「みんなで盛り上げたかったが…」。スポーツクライミングの楢崎智亜(ならさきともあ)選手の出身校、宇都宮北高の笠原紀昭(かさはらのりあき)校長は肩を落とす。卒業生の五輪出場は初となるが、コロナ対策でPVは断念した。在校生には出場日時を知らせ、自宅で応援してもらうという。

 競泳の萩野公介(はぎのこうすけ)選手や水沼尚輝(みずぬまなおき)選手らを輩出した作新学院高も実施を見送った。両選手を指導した同校男子水泳部の元顧問高野照三(たかのしょうぞう)さん(65)は「生徒たちには自主的に見てもらい、成長の糧にしてほしい」と願う。

 下野市国分寺小は柔道男子60キロ級に出場する高藤直寿(たかとうなおひさ)選手の母校。高橋修一(たかはししゅういち)校長は「校内放送で児童に話したい」と語った。

 選手の出身地など関係市町も判断を迫られた。萩野選手やクレー射撃の中山由起枝(なかやまゆきえ)選手の出身地の小山市。2016年のリオデジャネイロ大会でPVを開催した施設が今年はワクチン接種会場となったこともあり断念した。

 高藤選手を輩出し、キプロス選手を受け入れる下野市や、地元ホッケーチームの5人が代表に選ばれた日光市も見送りの方向。両市の担当者は「コロナがなければ実施していた」と声をそろえて残念がる。宇都宮市と鹿沼市、那須塩原市、さくら市も現時点で予定はないという。

 栃木市は大型ビジョンがあるサッカー専用スタジアムを使用し、人気競技を観戦する計画もあったが、市の担当者は「社会情勢を考えると難しい」と見送る可能性が高い。

 一方で、水沼選手の地元真岡市では出身地域の区長や母校の同窓会長らが中心となり、実施の検討をしている。広い会場を用意し飲食や声援は厳禁。地元住民100人限定で行う計画で、競技日の約10日前に開催可否を最終決定するという。