野球漫画の王道を歩んだ「ドカベン」が先日、46年の歴史に幕を下ろした。発売直後の掲載誌を手に取る40、50代男性の姿が、県内の書店でも目立った▼山田太郎(やまだたろう)、岩鬼正美(いわきまさみ)といった登場人物の成長とともに、この半世紀で日本の漫画やアニメ自体も大きな変革を遂げた。特筆すべきは海外での注目度だ。今では日本が誇る独自の文化を意味する「クールジャパン」の最前線にある▼「日本の作品はストーリーがていねいに作られ、言葉や文化の違いを超えて人々を魅了できる」。日本文化を発信する経済産業省はホームページでこうアピールする▼哲学や経営術などを漫画で学べる書籍の出版も相次ぐ。若い世代に加え漫画に慣れ親しんだ中年世代にも受け入れられているようだ。吉野源三郎(よしのげんざぶろう)の小説「君たちはどう生きるか」の漫画化も話題になった▼高校生にまだなじみの薄いクレジットカードの仕組みを説明しようと、白鴎大経営学部の学生が作ったアニメ教材も興味深い。ある惑星の主人公が、地球で利用されているクレジットカードを導入しようと奮闘する物語だ▼「高校生にも興味を持てる内容に仕上がった」と指導した菅野嘉則(すがのよしのり)教授は言う。漫画やアニメを娯楽として楽しむだけでなく、学びのきっかけにも活用しようという文化こそ、クールジャパンたる由縁かもしれない。