静岡県熱海市の土石流災害を受け、県は12日、県内の施工中の盛り土や埋め立て地など計45カ所で緊急点検を行った結果、土砂流出などの恐れがある箇所は確認されなかったと発表した。急傾斜地や周辺に民家があるなど災害リスクの高い場所を選定し、5~9日に点検した。一方、10日の大雨により、点検の対象外だった佐野市の箇所で泥水が流出し、住家被害が発生した。県は今後、点検の対象を広げ、監視を継続する方針。

 点検したのは、土砂を搬入している急傾斜地や民家周辺にある19カ所をはじめ、土石流の恐れがある山地災害危険地区の20カ所、土石の採掘などを行っている林地開発許可地の6カ所。同許可地は12カ所で施工中だが、本年度に防災パトロールを実施していない箇所を選定した。

 県環境森林事務所職員が現地にそれぞれ出向き、土砂の堆積状況や、排水施設の整備が適正かどうかなどを目視で確認した。施工中の箇所は土砂が崩落する危険性が高いことから、県資源循環推進課は「引き続き監視が必要」としている。

 一方で対象外となった佐野市中町の林地開発許可地で、調整池に排水する管の一部が、10日の大雨によって破損。下流の住宅に泥水が流出し、2軒が床下浸水した。これを受け、県は対象外だった6カ所も今週中に点検を行う方針。

 山地災害危険地区は県内4116カ所あり、今回は治山工事に着手していない箇所を点検した。県は危険性が高い約2千カ所で優先的に工事を行っており、県森林整備課は「必要に応じて今後も計画的に整備していく」とした。