土石流の現場で行方不明者の捜索などを行う捜索隊員=10日午前7時55分、静岡県熱海市伊豆山

土石流の現場へ向かう警察官ら=10日午前7時45分、静岡県熱海市伊豆山

現場の状況を語る川嶋小隊長=10日午後3時、静岡県熱海市伊豆山

土石流によって住宅街に堆積した大量の土砂=10日午後1時40分、静岡県熱海市伊豆山

災害現場へ出発する県警の車両=10日午前6時55分、静岡県熱海市

土石流の現場で行方不明者の捜索などを行う捜索隊員=10日午前7時55分、静岡県熱海市伊豆山 土石流の現場へ向かう警察官ら=10日午前7時45分、静岡県熱海市伊豆山 現場の状況を語る川嶋小隊長=10日午後3時、静岡県熱海市伊豆山 土石流によって住宅街に堆積した大量の土砂=10日午後1時40分、静岡県熱海市伊豆山 災害現場へ出発する県警の車両=10日午前6時55分、静岡県熱海市

 今年一番の蒸し暑さとなった10日、栃木県警の広域緊急援助隊12人は行方不明者の捜索活動を開始した。大規模土石流から1週間が経過した静岡県熱海市の災害現場。急傾斜地は依然ぬかるんだ状態で、腰まで土砂に漬かった。「不明者を見つけたい」との思いとは裏腹に捜索は難航し、川嶋将之(かわしままさゆき)小隊長(45)は悔しさで唇をかんだ。土砂が大量に堆積した河川沿いの地域は、観光地・熱海を茶色い線で分断したかのよう。被災者は今後の生活への不安を抱えながら、途方に暮れている。

 「1週間経過してもここまで手付かずとは…」。川嶋小隊長は息を飲んだ。発生後も悪天候が続いた現場は、想定以上の土砂が堆積していた。

 この日の熱海市は今年最高の32.8度を観測した。隊員は大粒の汗を流しながら、重機などで土砂やがれきを取り除いた。

 「何かあるぞ」。重機を止め、スコップで泥をかき出すと、1枚の写真が出てきた。被災者はいったいどんな日常を送っていたのだろう。「何があるか分からないので、慎重になる」。川嶋小隊長は気を引き締めた。

 規制線が張り巡らされた伊豆山地区の現場周辺は、JR熱海駅の北方に位置する。駅近くの砂浜には観光客らの姿が目立つ一方、被災地の住民の多くは避難所生活を続けており、人気はない。上空ではヘリコプターが旋回し、ごう音が鳴り響いていた。

 自宅1階が土砂に埋まったという団体職員、石井裕隆(いしいひろたか)さん(36)は「命があって良かったが、家はどうしよう」と当初は不安を抱えていた。自宅は解体を余儀なくされ、市内の実家で寝起きしている。「早く復興させるしかないですね」

 いとこの太田洋子(おおたようこ)さん(72)を亡くした高橋薫(たかはしかおる)さん(72)。「どこに悔しさをぶつけたらいいのか」と悲痛な表情を浮かべた。

 小さい時からきょうだいのように仲が良かった。6月下旬、自家栽培したタマネギを差し入れした。それが最後の会話となるとは想像もしなかった。亡くなった太田さんの顔は穏やかだったという。

 「自衛隊、消防、警察が暑い中で頑張ってくれている。全員見つかるまで弱音は吐きたくない」。早期の行方不明者発見を願った。