スピードとフィジカルを武器に日本のゴールを守る霧下義貴(日本協会提供)

 フィールドでは、DFとして抜群の身体能力とスピードで相手攻撃を封じるファイター。ホッケーを離れると仲間を盛り上げるムードメーカーの「いじられキャラ」。最年少がフィールド内外から日本を勢いづける。

 トップ選手のほとんどが小学校低学年から競技を始める中、中学からスタート。小学時代は「体を動かすのが得意」と器械体操や柔道に汗を流したが、兄のホッケー道具に興味を持ち、難しいスティックさばきやリフティングができた時の達成感にはまった。

 中学高校と主将を任され、天理高3年時は全国総体と選抜大会の2冠。先輩に「下手くそ」と言われて人一倍努力し、高校2年でU-18日本代表にも入った。負けず嫌いな性格で実力を伸ばし、キャリアが浅くてもトップクラスに肩を並べた。

 体が大きく速い欧州勢にも物怖じしない。「競り合ってボールカットできるのが強み」。足の速さと強靱(きょうじん)なフィジカルで1対1を制する自信もある。

 苦い経験を胸に成長を続けてきた。高校3年時の日本代表選考会で、体調不良やけがで実力を出し切れず。「コンディションを大切にするようになったし、多少のケガでも出場し続ける気持ちが強くなった」。手の指を骨折しても、大学では翌日の試合に強行出場。代表合宿ではギプスをしてそのまま練習を続けた若き鉄人だ。

 ペナルティーコーナーのシューターを任されることもあり、「自分の名前を世界に広めるチャンス」。シギ・アイクマン監督は「強い意志を持ち、素晴らしい戦士」と霧下を真田幸村に例える。若武者はまさに不惜身命(ふしゃくしんみょう)の覚悟で五輪の舞台に乗り込む。

 【プロフィル】きりした・よしき 1998年生まれ。奈良県橿原市出身。奈良・天理高-天理大。2021年にリーベ栃木入り。16年からU-18日本代表で活躍し、18年から日本代表。県スポーツ専門員。181センチ、74キロ。22歳。