日本のエースとして初の五輪に臨む黒後=2月21日のVリーグ決勝、都内

 「攻めまくるぞー!」「さあ行こー!」。トレードマークの笑顔と、甲高い声でチームを活気づける。地元を離れ、より高いレベルを求めて進学した下北沢成徳高(東京)でも東レでも、選手の輪の中心になってきた。

 宇都宮市横川西小3年時に地元クラブチーム「サンダース」で競技を始めた。「真面目で、バレーが大好き」。指導した手塚一郎(てつかいちろう)監督(64)は当時を振り返る。ローテーションのない小学バレーではコートの中央に黒後を置き、攻守の起点として成長を促した。

 アンダーハンド千回、オーバーハンド千回。全体練習開始前に必ず行ってきたパスの反復練習がバレー人生の原点だ。「小学時代に基本を一からたたき込まれた。そこで学んだ時間はすごく大きかった」と感謝する。

 高校時代はコートキャプテンとして春高バレー2連覇。名門・東レへ入り、全日本の登録メンバーにも名を連ねた。東レ4季目の昨季は初めて主将を任され、五輪が延期になった1年間で「心の面で成長できた」。

 メダルが期待される五輪。「エースは黒後」。全日本の中田久美(なかだくみ)監督は断言する。「愛の活躍がチームの勝敗を大きく左右する」と23歳に中心選手の役割を期待する。

 このところ調子が上がらなかったが、6月18日のネーションズリーグ、ドミニカ共和国戦。「全身を使って打つ感覚が戻ってきた」。力強いクロスのバックアタックで流れを引き寄せ、復調に手応えをつかんだ。

 夢に見た大舞台は攻撃専門のオポジット(セッター対角)としてコートに立つ。「こんな時代だから、みんなが笑顔になるようなバレーをしたい」。天真爛漫(らんまん)な背番号1が日本に活力を与える。

 【プロフィル】くろご・あい 1998年生まれ。宇都宮市出身。横川西小-若松原中。下北沢成徳高(東京)2、3年時の春高バレー2連覇。2017年にVリーグ1部の東レ入団、日本代表の登録メンバー入り。180センチ。最高到達点306センチ。23歳。