静岡県熱海市で3日に発生した大規模土石流を受けて、栃木県内でも危機感が強まっている。過去の土砂災害の被災者は改めて警戒を強め、県は県民に注意を呼び掛ける。県内の土砂災害警戒区域は宇都宮や日光、鹿沼など22市町で7230カ所。台風シーズンを迎えリスクは高まり、6日以降も不安定な天気が続く見込みだ。県は「警戒情報を確認し、身を守る行動に努めてほしい」と訴えている。
県砂防水資源課などによると、警戒区域のうち6478カ所は家屋などに甚大な被害を及ぼす恐れがある特別警戒区域だ。
土砂災害は、山腹の土砂が時速20~40キロで一気に下流へと押し流される「土石流」、斜面の地表に近い部分が崩れ落ちる「がけ崩れ」、斜面が下方にゆっくりと流れる「地滑り」の3種類。県内警戒区域の内訳は土石流3284カ所、がけ崩れ3849カ所、地滑り97カ所に上る。