定時を過ぎても多くの教職員が残る小学校の職員室=6月、県内

 栃木県教職員協議会が県内小中学校の教職員を対象に実施した2020年度アンケートでは、依然として9割超の教職員が多忙感を抱いていることが明らかになった。働き方改革で時間外勤務の削減が求められる一方、ICT(情報通信技術)の導入などに伴い、新たな業務も発生している。「やるべきことが多すぎる」。現場の教職員からは切実な声が上がる。

 朝7時に出勤し、学校を出る時間は夜9時過ぎ。県南の小学校で働く女性教諭(27)も日々の仕事で疲弊する教員の一人だ。

 働き方改革で学校には遅くまで残れず、授業の準備やテストの採点など、自宅でできる仕事は持ち帰らざるを得ない。「早く帰れと言われても、仕事が減ったわけではないから」

 多忙で精神的に追い込まれた経験がある。受け持ちクラスの学級経営に悩み、行き詰まった。周囲は支援の手を差し伸べたが「自分のクラス。結局は自分でやるしかなかった」。食欲がなくなり、身の回りの事が手に付かなくなった。心療内科で「軽度のうつ病」と診断された。

 「担任として途中で投げ出せない」という責任感で、何とか年度いっぱいまでやり遂げた。環境が変わり、今はうつの症状も改善した。だが、働き続けられるか自信はない。「教員の仕事は一人で多くをこなすマルチタスク。器用な人じゃないとやっていけないのかな」

 別の小学校に勤務する男性教諭(48)も「定められた勤務時間内に終わる仕事の量ではない」と訴える。児童生徒が1台ずつ端末を使う国の「GIGAスクール構想」が始まり、関連の研修も増えた。負担は減るどころか「求められることが増えている」と感じる。

 一方、昨年度はコロナ禍で学校行事が中止になり、今まで必要だと思っていたものが「なくても大丈夫」と気付けた面もあった。「教員にゆとりがなければ良い教育はできない。これを機に業務の見直しが進んでほしい」と切に願う。