福田知事(右)に要望書を手渡す渡辺市長=2日午前、県庁

 国からの新型コロナウイルスワクチンの供給量が減少する見通しとなったことを受け、福田富一(ふくだとみかず)知事は2日、栃木県内25市町の64歳以下の一般接種の計画を調査し、ワクチン需給状況の把握を急ぐ考えを示した。大田原市が集団接種の予約受け付けを一時停止するなどの影響も出ており、市町には不安の声が広がっている。

 「ワクチン供給の見通しが立たない状況となっているため、予約受け付けを一時停止します」。大田原市は同日までに、ホームページで8月15日以降のワクチン接種の予約受け付けを停止すると発表した。既に予約した人については、同日前までに振り分けるなどして対応するという。医療機関での個別接種は引き続き受け付ける。

 ファイザー製ワクチンは4~6月に約1億回分が供給されたが、7~9月は約7千万回分に減る。県内でも自治体の希望量に供給量が追い付かない状況となることが懸念されている。

 那須塩原市の渡辺美知太郎(わたなべみちたろう)市長は2日に県庁を訪れ、福田知事に対し、ワクチンの安定供給を国に要請するよう求める緊急要望書を提出した。

 同市は早期接種を求める国の要請に応じ、9月末までに接種完了する計画で打ち手や会場確保を急いできた。渡辺市長は「このままだと8月にはワクチンが不足する。(供給が遅れれば)全て計画が狂ってしまう」と懸念した。

 福田知事は「接種計画に基づき必要量が配分されるよう国に意見を伝えたい。アクセル全開で早期接種を求めてきたのに、いきなりブレーキと言われても地方は困る」などと理解を示し、県内市町の実態把握を急ぐ考えを示した。

 大規模接種会場などで使われているモデルナ製の供給も不透明になっており、全国知事会などでは国に懸念を伝えている。県には今後の供給への不安が複数の市町から寄せられているという。