就任から1年となり、インタビューに答える足利銀行の清水頭取=宇都宮市

 昨年6月の就任から1年を迎えた足利銀行の清水和幸(しみずかずゆき)頭取は29日までに、下野新聞社のインタビューに応じ、社会が急速に変化する中、多様化する顧客ニーズに合わせて業務範囲を拡大していく考えを示した。今後の重点項目として、「デジタルやサプライチェーン(供給網)、グリーン(環境に配慮した事業活動)」の三つを挙げ、施策展開のスピードアップを強調した。銀行の組織風土を変えるため、重要ポストに人材を早期登用する人事制度の整備にも言及した。

 就任の前後からの主な動きとして、法人顧客向けに課題解決を強化する「本業支援室」、個人顧客向けコンサルティング業務に特化した「ブロック個人営業部」の新設などを挙げた。

 同室では顧客同士をつなげるビジネスマッチングや事業計画の作成などをサポートし、人材派遣のニーズも増えているという。同営業部は個人顧客に特化して資産形成や管理、相続などに対応する営業店形態で「お客さまの悩みや課題をよく聞きどう解決できるか。時間がかかるが、成果も出てきている」と説明した。

 コロナ対応を優先したこの1年間を「60~70点」と自己評価し、「もっと施策展開のスピードを上げないといけない」と話す。

 組織づくりにも目を配った。行員にアンケートを行ったところ「ものが言いにくい」「業績への強いプレッシャーを感じる」などの声があった。そこで1月から、頭取と新入行員、中堅社員らとの意見交換会を始めた。直接意見をもらうメール制度も設けた。「こうした草の根運動と、(重要ポストへの)早期登用ができる人事制度を組み合わせ、スピード感を持って風土を変えたい」と強調する。

 今後について「サプライチェーンやグリーンは外せないキーワードになっている」とみている。「われわれも金融サービスを提供し続けられる体制づくり、サプライチェーンの見直しをしなければならない。お客さまへの支援も待ったなしだ」。国連の「持続可能な開発目標」(SDGs)の分野に積極投資する考えも示した。

 社会や地域経済が変化し続ける中、「預金や貸し出し、為替という伝統的な銀行業務だけでなく、業務範囲をもっと増やしていく。他業態との提携も必要で子会社でできるものもある。それらの真ん中でプレーしていきたい」と述べた。

 【略歴】佐野市出身で佐野高、立教大卒。1984年入行。総合企画部長、宇都宮中央支店長、常務、専務を歴任した。頭取就任は2020年6月24日。めぶきフィナンシャルグループ副社長も務める。